白トラの行政処分、10月1日から重く|決まった日数と新たに加わった決まり

10月6日、岩手県トラック協会のダンプトラック部会から、会員向けのお知らせがFAXで届きました。題は「違法白トラに対する行政処分の処分量定引上げについて」。白ナンバーのトラックで無許可の運送をしたときの処分が、10月1日から重くなりました。

8月には、国が意見を募っていた案の段階で「白トラ行為の行政処分、9月下旬から厳罰化へ」を書きました。今回はその続きです。正式に決まった通達の原文に当たり、何日になったのか、8月の記事に書いていなかったことは何かを整理します。

石名坂は、自社の工事と砕石の運搬を白ナンバー(自家用)のダンプで行い、他社の荷物を運ぶ緑ナンバーの許可は関連会社が持っています。白と緑の線引きを毎日の仕事で守っている立場として、この話は他人事ではありません。

白トラの行政処分が令和8年10月1日から重くなり、車が使えない日数が延びることを示す図。白いトラックとカレンダーの絵。
10月1日以降の違反から、新しい基準で処分されます。

決まったこと — 9月29日の通達、10月1日以降の違反から

国土交通省は令和8年9月29日、「自家用自動車を使用する者による道路運送法又は貨物自動車運送事業法違反行為に対する行政処分基準について」という通達を一部改正しました(国自旅第85号、国自貨第292号、国総モ第47号)。平成15年に作られ、平成18年に一度改正されてから、およそ20年ぶりの見直しです。

車が使えなくなる日数 — 新旧の比較

処分の中身は「車両の使用制限又は禁止」です。違反の種類ごとに、1回目・2回目・3回目以降で日数が決まっています。通達に付いた新旧対照表から写すと、次のとおりです。

違反の種類1回目2回目3回目以降
許可を受けずに運送の商売をした
(貨物自動車運送事業法第3条・第35条第1項・第36条第1項、道路運送法第4条第1項・第43条第1項)
60日→120日120日→180日180日(同じ)
白ナンバーの車を、お金をもらって運送に使った
(道路運送法第78条)
40日→80日80日→180日120日→180日
白ナンバーの車を、許可なくお金を取って貸した
(道路運送法第80条第1項)
40日(同じ)80日(同じ)120日(同じ)
出典:国土交通省 通達「自家用自動車を使用する者による道路運送法又は貨物自動車運送事業法違反行為に対する行政処分基準について」新旧対照表(令和8年9月29日)
許可なく運送の商売をしたときの、車が使えない日数の変化を示す図。1回目は60日から120日に、2回目は120日から180日に延びる。
左が9月30日までの違反、右が10月1日以降の違反です。

白トラを商売として続けていれば、1つ目の行に当たります。1回目で120日、およそ4か月です。2回目は、これまでの3回目と同じ180日になりました。ここでいう2回目・3回目は、処分を受けた日から3年以内に、同じ条項にまた違反した場合を指します。

特に事情がある場合は、日数を最大で半分まで軽くできる、という決まりはこれまでどおり残っています。

8月の記事では書いていなかったこと

正式な通達を読んで、8月の記事に足りなかった点が二つありました。

一つ目は、表の3行目です。これまでの基準では、道路運送法第78条(有償で運送に使う)と第80条第1項(有償で貸す)は同じ行にまとめられ、日数も同じでした。今回は二つに分けられ、重くなったのは第78条だけです。第80条第1項は40日・80日・120日のまま据え置かれました。

二つ目は、ナンバーを外して預けることが、通達に書き込まれた点です。使用禁止になった場合は、車検証を返し、ナンバープレートを国に預ける(領置)ことを併せて行う、という項目が新しく加わりました。岩手県トラック協会のお知らせにも「営業ナンバーの場合と同様に運輸支局に一定期間ナンバーを回収されます」とあります。その期間、その車は公道を走れません。

使用禁止になると、車検証を返し、ナンバーを預けることを示す図。その間、その車は道路を走れない。書類とナンバーの板の絵。
今回の改正で、通達に新しく書き加えられた決まりです。

あわせて、8月の記事で第78条を「白トラ・白タク行為そのものの根拠条文」と書いた点を補います。白トラを商売として行うことは、表の1行目、貨物自動車運送事業法第3条などの違反です。第78条は、商売とまでは言えなくても、白ナンバーの車をお金をもらって運送に使うこと全般を禁じた条文です。

行政処分とは別に、罰則もある

ここまでの日数は「車を使わせない」という行政処分の話です。これとは別に、法律には罰則があります。e-Govの法令データで確かめた現在の条文は、次のとおりです。

4月からは頼む側、10月からはやる側の処分が重くなりました。半年で、両方の側から締めつけが強まったことになります。

無許可の業者に運送を頼んだ場合、頼んだ側は4月から100万円以下の罰金、運んだ側は10月から車が使えない日数が延びたことを示す図。
4月は頼む側、10月は運ぶ側。半年で両方の決まりが強まりました。

岩手でも、すでに処分は出ている

岩手県トラック協会のお知らせには、これまでも白トラには車両の使用制限や禁止の処分が定められていて、過去には岩手県内で白トラが検挙され、同じ処分が出ていると書かれています。遠い国の話でも、都会だけの話でもありません。

盛岡でも、工事の山場にはダンプが足りなくなります。そんな時期に「白ナンバーでも空いている車があれば」と考える会社がある、という話は、業界でいまも耳にします。頼んだ側が罰金、運んだ側は4か月ダンプが止まる。これが10月からの重さです。

石名坂として気をつけていること

白ナンバーのダンプで運んでよいのは、基本は自分の会社の荷物です。自社の工事の残土、自社で売る砕石。他社から運賃をもらって荷物を運ぶなら、緑ナンバーの許可が要ります。石名坂のグループが許可を会社ごとに分けているのは、この線をはっきりさせるためです。

どこまでが白ナンバーで運んでよい範囲かは、国交省の考え方を「白ナンバー(自家用)ダンプで残土・資材を運搬する条件とは?」に、グループで許可を分ける形は「グループで分ける建設業の運送許可と更新制」にまとめています。

運搬を頼む立場の方は、まずナンバーの色を見てください。他社の荷物を運ぶトラックなら、ナンバーは緑です。判断に迷うときは、東北運輸局の岩手運輸支局に相談するのが確実です。

運送を頼む前にナンバーの色を見ることを示す図。緑ナンバーは他社の荷物を運べる。白ナンバーで運べるのは基本、自社の荷物。
他社の荷物を運ぶトラックなら、ナンバーは緑です。

まとめ

※本稿は2026年10月6日時点の情報です。処分の日数は、国土交通省の通達(令和8年9月29日)の新旧対照表に、罰則は e-Gov 法令検索の現行条文によっています。個別の事例が違反に当たるかどうかは、運輸支局にご確認ください。

参考・出典

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