白ナンバーはどこまでOK?建設業がおさえておきたい「白トラ規制」の注意点
令和8年4月1日から、トラック運送業界に関わる法律(通称「トラック新法」)が改正され、白ナンバー車両( 白トラ規制 )を使った無許可の運送委託に対する規制が強化されました。特に建設業・資材関連事業者にとって見過ごせない内容のため、今回はポイントを分かりやすく解説します。
本記事のうち「白ナンバーのままでもOKなケース」は、国土交通省が公表した下記のQ&A資料(いずれも令和8年3月31日時点)をもとに構成しています。個別の事案については、必ず一次情報である資料本文または最寄りの運輸局にご確認ください。
- 国土交通省「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて 建設事業Q&A」(令和8年3月31日時点)
- 国土交通省「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて 資材・骨材関連事業Q&A」(令和8年3月31日時点)

白トラ規制 最大の変化 — 「委託した側」も罰則対象に
これまでは、無許可で運送業(白トラ行為)を行った側だけが問題視されていました。しかし改正後は、そうした無許可業者に運送を依頼した側(荷主・元請け・発注者)も罰則の対象(100万円以下の罰金)になります。「知らなかった」「昔からの慣行だった」では済まされなくなるため、注意が必要です。(出典: 国土交通省「物流:トラック適正化二法について」)
白トラ規制 における白ナンバーと緑ナンバーの違いとは
トラックのナンバープレートには「白」と「緑」があります。
- 緑ナンバー: 国の許可を受けた、運送を「事業」として行うためのナンバー
- 白ナンバー: 自家用車両。本来、他人の荷物を有料で運ぶことはできない
以下の3つすべてに該当する運送は、貨物自動車運送事業法により緑ナンバー(許可)が必要です。
- 他人の依頼に応じて運ぶ
- 運賃(対価)を受け取る
- 事業として反復・継続して行う
白ナンバーのままでもOKな4つのケース
すべての運送に許可が必要なわけではありません。国土交通省のQ&Aによると、以下の4パターンは白ナンバーのままでも違法になりません。
- ①自社が所有する貨物を、自社の従業員が運ぶ場合(自己所有貨物の運送)
例: 土砂等販売業者が、販売用に購入した土砂を自社雇用の従業員(期間雇用・日雇いを含む)に運搬させる
(出典: 資材・骨材関連事業Q&A) - ②本業と密接不可分な付帯的運送で、対価を受け取らない場合(本業付帯の運送)
例: 建設工事を請け負った会社が、その工事で出た残土を自社雇用の従業員に運ばせる。土砂等販売代行の個人事業主が、販売する土砂を自ら運搬する
(出典: 建設事業Q&A、資材・骨材関連事業Q&A) - ③工事現場の敷地内(場内)のみで運搬する場合(場内運搬)
例: 公道に出ず、現場内だけで資材・残土を移動させる。一般の交通に使わない場内限定のため許可不要
(出典: 建設事業Q&A) - ④自ら施工する工事のためにリース機材を自社が運搬する場合(リース機の運搬)
例: 自社が請け負う工事で使うリース重機を、対価を受け取らず自社便で現場に運び入れる
(出典: 建設事業Q&A)

判断のカギは「雇用関係の実態」
上記4ケースいずれも、「運ぶ人が自社の従業員である」ことが前提です。ここでいう雇用関係は、契約書の名目だけでなく、実態で判断されます。以下は国土交通省Q&Aが示す主な判断基準です。(出典: 建設事業Q&A)
- 労働契約書・労働条件通知書は交付されているか
- 報酬は「給与」として支払われているか
- 社会保険に加入させているか
- 持ち込みダンプの場合、「業務上使用契約書」を結んでいるか
- 運転者が自社の指揮命令下にあるか
これらが曖昧なまま「一人親方」扱いにしていたり、他社の白ナンバー車両を借りて運ばせていたりすると、違法な白トラ委託とみなされるリスクがあります。

建設業でよくある事例
◎許可不要(白ナンバーのままOK) (出典: 建設事業Q&A、資材・骨材関連事業Q&A)
- 自社製品(合材・砕石等)を自社ダンプで他現場へ配達 → 自社所有物の運搬なので許可不要
- 自社で請け負った工事で発生した残土を、自社雇用の従業員に運搬させる → 本業に付帯する運送のため許可不要
- 土砂等販売代行の個人事業主が、販売する土砂を自ら運搬する → 本業付帯の運送として許可不要
- 現場敷地内だけでダンプを使い、資材や残土を移動させる(公道に出ない) → 場内運搬のため許可不要
- 自社が施工する工事のために手配したリース重機を、対価なしで自社ダンプが運ぶ → 許可不要
- 廃棄物処理業者が、元請との包括契約に基づき収集運搬と処分を一体的に行う → 業務付帯の運送とみなされ許可不要となる場合あり
✕許可必要(白ナンバーのままはNG) (出典: 建設事業Q&A)
- 上位会社がリースしたダンプを、下請け業者の従業員に運転させる → 建設工事を伴わない場合は許可必要
- A社がB社から白ナンバーダンプを借り、B社従業員が運転してA社の貨物を運ぶ → 許可必要(グループ会社間でも同様)
- 積込みと運搬のみを請け負い、工事本体は行わない → 建設工事に付帯するとは言えず許可必要
- 材工(材料費+施工費)の請負契約の中で、別途「運賃」や「ダンプ費用」を支払う形になっている → 独立した運送の対価とみなされ許可必要になる可能性あり
経営者として今すぐやるべきこと
- 従業員との雇用関係を書面で整備する(労働契約書・労働条件通知書)
- 傭車・下請け先が無許可(白トラ)でないか確認する
- 判断に迷う場合は、最寄りの運輸局へ早めに相談する
参考資料(出典一覧)
- 自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて 建設事業Q&A(国土交通省、令和8年3月31日時点)
- 自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて 資材・骨材関連事業Q&A(国土交通省、令和8年3月31日時点)
- 物流:トラック適正化二法について(国土交通省)
- 【改正トラック法】自家用ダンプカーの取扱いや違法にならない条件を解説(石名坂ブログ、国交省資料の原文引用あり)
- 【国交省Q&A】白ナンバー(自家用)ダンプで残土・資材を運搬する条件とは?(石名坂ブログ)
※本稿は上記資料に基づく時点情報であり、個別の事案の判断や今後の運用変更については、必ず一次情報の確認または運輸局への相談をお願いします。


