「 JCLP 」とは?233社の企業連合が2050年ネットゼロを求める理由【第1回】

先日の記事でお伝えしたとおり、当社はIES(いわて環境マネジメントシステム)ステップ1の認証を取得しました。これをきっかけに、環境について社内で学び直す取り組みを始めています。その学習の一環として、今回から全4回にわたり、企業の気候変動対策について取り上げます。

第1回のテーマは「 JCLP 」です。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、日本を代表する企業が数多く参加している企業グループで、政府に対してさまざまな提言を行っています。その提言の内容は、トラックやダンプの電動化など、私たち地域の建設業の仕事にも関わってきます。

JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)の加盟233社・売上約136兆円と、加盟条件や中小企業への波及を示した図解
JCLPの規模と加盟条件、脱炭素がサプライチェーンを通じて地域の中小企業に広がる流れ

JCLP とは?2009年に発足した日本の企業グループ

JCLP は「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」(Japan Climate Leaders’ Partnership)の略称です。一般社団法人として運営されており、2009年に発足しました。

発足の背景にあるのは、「脱炭素社会の実現には、産業界が健全な危機感を持ち、積極的な行動を開始すべきである」という考え方です。行政に言われて仕方なく取り組むのではなく、企業の側から動き出すという姿勢が出発点になっています。

JCLP自身は、その目的を「脱炭素に経済合理性をもたらす制度環境の整備を後押しすることを通じて、国内における再生可能エネルギー等の供給基盤と関連産業の発展を促す」ことだと説明しています。つまり、環境のためだけでなく、脱炭素が経済的に成り立つ仕組みを国内につくることを目指している団体です。

加盟233社、売上合計は約136兆円

JCLPの規模は、2026年6月4日現在で次のとおりです。

売上合計136兆円という数字は、日本の名目GDP(およそ600兆円台)と比べても相当な規模です。幅広い業界から、日本を代表する企業が参加しています。

なお「TWh(テラワットアワー)」は電力量の単位で、1TWhは10億kWhにあたります。一般家庭の年間消費電力量がおよそ4,000kWh前後といわれますので、73TWhは単純計算で約1,800万世帯分に相当する規模になります。

なぜ企業が自ら「脱炭素」を求めるのか

「環境対策はコストがかかるだけではないか」と感じる方も多いと思います。しかしJCLPが政府への提言のなかで繰り返し指摘しているのは、脱炭素が「エネルギーの安全保障」と「産業競争力」に直結するという点です。

JCLPが2026年6月に公表した意見書では、次のようなデータが挙げられています。

燃料のほとんどを輸入に頼っている以上、産油国の情勢や為替の変動が、そのまま国内の燃料価格に跳ね返ります。軽油やガソリンの価格が上がるたびに、運送業や建設業の経営が圧迫されるのは、私たちが現場で実感しているとおりです。

エネルギーを国内でまかなえる割合を増やすことは、環境対策であると同時に、価格変動に振り回されにくい経済をつくることでもある。これがJCLPの基本的な考え方です。

加盟の条件は「2050年までのネットゼロ宣言」

JCLPに加盟するには、会員としてのコミットメント(約束)が求められます。公表されている主な内容は次のとおりです。

「ネットゼロ」とは、温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、実質的にゼロにすることをいいます。日本政府も2050年カーボンニュートラルを掲げており、JCLPの目標年はこれと足並みをそろえた形です。

ここで注目したいのが、3つ目の「サプライチェーン全体の脱炭素化」です。サプライチェーンとは、原材料の調達から製造、輸送、販売までの一連のつながりのことを指します。大企業が自社の排出量だけでなく、取引先を含めた排出量まで管理しようとすると、その取引先である中小企業にも取り組みが求められることになります。

RE100・EV100とは何か

加盟条件に出てきた「RE100」「EV100」は、いずれも企業が参加する国際的な取り組み(イニシアチブ)の名称です。JCLPは、加盟企業に対してこれらへの参加支援も行っています。

このうちEV100は、ダンプやトラックを保有する事業者にとって直接関わりのあるテーマです。次回、詳しく取り上げます。

2026年に公表された4つの提言・意見書

JCLPは政府に対して継続的に提言を行っています。2026年に公表されたものは次のとおりです。

また、2026年7月14日には長野県との連携協定を締結するなど、自治体との協働も進めています。

地域の建設業に何が関係するのか

「大企業の話であって、地方の中小企業には関係ない」と思われるかもしれません。しかし、次の2つの経路で影響が及んでくると考えられます。

ひとつは、取引先を通じた波及です。前述のとおり、加盟企業はサプライチェーン全体の脱炭素化に取り組むことを求められています。元請けや発注者が排出量の把握を進めれば、資材を納入する側、運搬する側にも数値の提出や削減の取り組みを求められる場面が出てきます。

もうひとつは、制度を通じた波及です。JCLPの提言は、政府の補助金制度や規制のあり方に影響します。商用車の電動化に対する補助金の拡充が実現すれば、車両の更新を検討する事業者にとっては追い風になります。逆に、燃料への課税が強化される方向に進めば、コスト面での負担が増えることになります。

どちらに転ぶにせよ、何が議論されているのかを知っておくことは、これから設備投資を考えるうえで無駄にはならないはずです。当社がIESの取得をきっかけに環境について学び直しているのも、こうした理由からです。

次回予告

第2回は、JCLPが2026年6月に公表した「商用車のゼロエミッション車への転換加速に向けた意見書」を取り上げます。トラックやダンプの電動化について、日本がいまどの位置にいるのか、そして事業者が電動車を導入するうえで何が課題になっているのかを、具体的な数字とともにご紹介します。

まとめ

砕石・砂利のご用命、土木工事や除雪のご相談は、TEL:019-638-7521までお気軽にお問い合わせください。

参考・出典

※本稿は上記資料に基づく時点情報です。加盟企業数などの数値は変動しますので、最新の情報はJCLPの公式サイトをご確認ください。

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